#2【インタビュー】日本の高校からオランダのIBインターへ。卒業生LANA先生が語るリアルな体験記
- LANA先生

- 7月21日
- 読了時間: 9分
【続き】
②選択したのはIB生が最も恐れる「魔境の文系科目」
私が当初やろうと思っていた科目は以下の通りでした。
English Language and Literature - SL
French B - HL
History - HL
Geography - HL
Mathematics IA - SL
Environmental systems and Societies - SL
という今見たら、何とも自分のキャパを知らない自分の首を締めている科目構成になっていました。特に文系科目において、HistoryとGeographyは魔の魔境というか、テストの内容がエッセイを書かなくちゃいけないので、とてもIB生徒からは好まれない科目らしいです。(なので、私の友達は楽だと言われているBusinessを取ったりしていました。)
ですが、私は始め、IBの教科の特色も、授業内容に対する理解、どれだけこの教育システムが難しいかも理解していなかったため、そのまま提出してしまいました。
学期の最初の始めにIntroduction dayがあり、これからの授業のことについて諸々話がありました。学校自体はキャンパスが二つあって、AからJまでクラスがあり、日本人も私の世代には5人もいました(アムステルダムにある学校だったため、日本人の人口は学校全体でもかなり多い方だと思います)。インターナショナルスクールは人の出入りが激しいのはもちろんですが、昔からこの学校にいる子たちが多いので人や先生の名前を覚えるのは大変でした。ですが、同時に新しくきた子達も沢山いて、その子達を中心に仲良くなることができました。クラスは文系・理系の取っているクラスで大まかに分かれており、私は文系のグループであったため、理系を選ばず、文系に入った日本人は珍しく、注目された記憶があります。
AICSの生活がはじまり、メンター(HRの様な授業時間)では生徒のみんなに科目構成を確認する時間がありましたが、6教科のはずなのに、Managebac(学校の提出物など、学校に関するものを総括しているアプリ)で、なぜか5教科しかないということが発覚。後に確認してみれば、French B HLは定員割れしたので、授業ができなくなった。とお知らせもなしに言われ、教科を再選択する必要がありました。日本ではホスピタリティというか、学校がしっかり生徒の状況を管理するのが当たり前ですが、ここでは自分から声を上げないと、無視されることがほとんどなので、自分で管理するという力が大事ということを再度痛感した瞬間でした。
また、この時既に、オランダの大学に行くという目標があったので、Mathematics AA SLに科目変更したり(オランダでは、Mathmatics AIは大学の要項を満たさない場合が多い。)
途中で、English Langugage and Litterature HLに変更したり(10月頃まで科目変更ができた記憶です)、、、、と科目のバランスについて悩んでいた時に、同じ日本人の友達が日本語を科目として取れることを教えてくれました。
私は正直、最初「日本語を学ぶのなんて、せっかく高校まで日本にいて同じ様なことをやってきたのにまたやる意味があるのか?」と思っていましたが、ここで教育スタイルの違い、主に勉強する内容のフォーカスが異なっていたことを改めて感じることとなります。
Langugage A(以下言語A)と言語BがIBの科目として存在しますが、言語Aは日本語でいう現代文、国語の様にネイティブ言語の履修教科といえます。しかし、内容として、Language and litteratureはポスターやポットキャスト等文学以外の作品も分析対象に入ります。日本の高校でやる現代文や古文は、先生が解説をして「コレはこういう意味だ」と受動的に学ぶ内容を受け取るやり方でしたが、特にSSST(や他の文系の教科)の場合、知識は知識として、それをどのように「証拠」として自分の分析に使い、飛躍させることがうまくできなくて、『分析』って何?『論理的』って何?『分析』と『論述』の違いって?とゲシュタルト崩壊していました。
最終的に私の科目選択は以下の様になりました。
Japanese SSST - SL
English B - HL
History - HL
Geography - HL
Mathematics AA - SL
Environmental systems and Societies - SL
私がIBの「勉強」いう観点で特に苦労したのが、「エッセイ」と「数学」でした。
IBの文系の教科はテストの中に必ず『エッセイを書く』という作業が必須です。(というかエッセイ自体が問題形式である場合はほぼです。)そのため、高校の現代文で勉強した方法ではあまりうまくコアを掴むことができず、、、最初は点が伸び悩んで難しかったです。
私の学校では日本語の授業を受けれるオプションが二つあり、学校が提携している外部の日本語の塾に対してJapanese A Litterature (SL and HL) お金を別途払ってライデンまで行って授業を受けるか、SSSTという、言語Aのパッケージの授業を自分で勉強して進めるか、というオプションがありました。私は学校内で学校の授業を受けたかったので、SSSTという道を選びました。 しかし、言語Aの教科は基本どの言語もやることは同じで (SSSTもJapanese litterature Aもテスト自体は一緒で、そこに日本人の先生の指導を元に勉強するか、自分で進めるかの違い)2年間の中で7冊を読み、テストに向けてそれぞれ自分で選んだ作品の文学分析をしていきます。今まで私の知っている日本人は皆ライデンの塾に通っていたので、SSSTを取る日本人はAICSで私と他の日本人2人の友達で初めての世代でした。
しかし、始めSSSTをやるとなるとIBを経験しているオランダにいる日本人を学校の専属チューター(私たちの学校のテストを採点して、フィードバックをしてくれる先生)として見つけるのは難しく、始めた当初はチューターがおらず、結局SSSTを統括している先生がアテを探してくれましたが、IBの経験はない先生でした。しかし、海外の方に日本語を教えている方で、IBのシステムにわからないながらにも一緒に悩んで対策していただき、ファイナルには納得のいくエッセイがかけるようになりました。

(これはHistory paperに向けたマインドマップです。Historyは学ぶ内容が決まっているので、エッセイ(テスト)自体は似たような内容を聞かれる事が多いですが、膨大なコンテンツの中から、ファイナル本番でエッセイを書くために、マインドマップがとても良かったです。)
私以外のSSSTを取っている日本人は二人居て、その子達はSSSTに向けて外部の家庭教師を雇って勉強を進めていました。私は頑固だったので、家庭教師をつけず、自分で進めていたのですが、『エッセイを書く』という作業は今まで日本の教育でやってこなかったので、いまいち核が掴めずにいました。文学分析のエッセイなんて、ヨーロッパの教育の特徴である『倫理的思考』を養い、答えのないテストは難しく慣れるまでものすごく時間がかかりました。他の経験者の話や、IBのLineのコミュニティグループ、Youtube、他の先生の話を聞いても見ても、述べていることが様々で、日本のテストのように『暗記をすれば』『覚えやすくするための勉強』等という真似できる方法が見つからなかったので手探りで自分のやり方を探していくのに必死でした。

(この写真は私がSSSTの時にやっていた『Reading Journal』というものです。本を読む際に、要はメモの様なものですが、本の内容を理解するためと分析するための大切なところを殴り書きで書いていました(笑)。Reading Journalの書き方は人によって様々でしたが、私は日本でも紙で書く方が慣れていたので、高校の時の様に縦書きで書いていました。
③『技は見て盗む』プライドを捨てて気づいたこと
私はこのIB生活の中で人にいっぱい助けられてきた経験だったなと思います。「技は見て盗む」という言葉がありますが、ここの人は自分から「助けてほしい」と積極的な姿勢を見せれば、きちんと答えてくれます。 逆に、それを自分から言わないと気づいてもらえないし、交渉できるものもできなくなってしまいます。特に、先程の日本人の友達は、とても頭がよく、数学もSSSTも何でもトップの成績を取る子でした。
その子は私が科目選択で悩んでいる時に色々助けてくれたり、授業でわからないことや、分析の方法をその子というフィルターを通して理解ができたので、私のロールモデルの子でした。その子はSSSTだけではなく、English B HLの科目も同じく取っていたのですが、物事を素直に受け入れ、学んでいたので、習得の伸びが早く、成績がとても良い、優しい子でした。
そして、English Bの先生方もとても優しくて、HLを担当していた先生は、癖は強かったですが、日本と比べて「教育の管理」が構造化、整理されてない中で(ヨーロッパの先生はフレンドリーな分、距離が近くて良い・生徒と同じ目線という印象を受けるが同時に『先生』というより『仕事』という印象を受けました)。 しかし、私の経験上、日本で感じていたときのように(もちろん全ての学校に当てはまるわけではない)この先生はちゃんと「教育」のプロセスで学んでいる、生徒に「教育を受けさせる愛」を感じる先生でした。English B HLでは、文学の分析を主にやっていたので、その先生のおかげか、IBの生活の中で一番『分析』の対して大きい学び、習得をブーストしてくれたきっかけの一つになりました。
さらに、卒業論文にあたるEE(拡張論文)では、Historyの内容で書くことに挑戦しました。私は日本の歴史が好きだったので「源義経」に対して研究しました。しかし、日本の古い歴史は、資料が限られ、先生も専門分野ではなかったので、最初は難しいと考えられていました。
でもせっかくEEをやるなら自分が興味があるトピックにしたい、という思いでこのままで進めました。
しかし、Historyは先ほども言及したように、エッセイを学んだコンテンツによって書き分けなくちゃいけないので、本当に苦労した科目の一つでした。夜遅くまでパソコンに向かい、何千字もの英語と格闘しながら、「本当に終わるのかな」と泣きそうになった夜は数え切れません。
ですがこの苦労のおかげで「エッセイ」という概念に対して少し理解が深まり、習得するためのの基盤が出来上がったと思います(EEに割く時間のがDP1の後半からDP2の前半で、かなり初期段階で終わらせることになる)
次回は「IB最大の壁だったエッセイとの戦い」をお届けします。 ******************************💡 お知らせ:Dream Eduaid について 【中高留学】個別相談&サポート受付中!
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✍️この記事を書いた先生
LANA先生(オランダ在住)
日本の高校からオランダのインターナショナルスクール(AICS)へ進学
IB Diploma Programme卒業
Dream Eduaidで海外留学中・国内IB校の学習サポートを担当

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